[目] マメボヤ目
[科] ヘンゲボヤ科
[属] ツツボヤ属
[学名] Clavelina obesa Nishakawa and Tokioka, 1976
[標準和名] クロスジツツボヤ
【愛称】-
【推奨呼称】-
[性質] 群体この
クロスジツツボヤ(黒筋筒海鞘)は、群落によって白点の数や分布が異なり、非常に美しいホヤの一つです。
1.5cm前後の個虫でできた群落が一番美しく、それ以上のサイズ、特に2.5cmを超えるような場合は個虫の形がややいびつに変化している状態が見られます。
大きな個虫の形状が維持できないということは、セルロースの形成ができなくなり始めているということでしょうか。
セルロースといえば、ホヤ類は脊椎動物の中で(おそらく)唯一体内でセルロースを形成できる動物です。
他には微小金属を多く含むなど、面白い特性を持っているようです。
何度も書いていますが、ホヤは人間と同じ、脊椎動物の仲間です。
話が逸れましたが、
クロスジツツボヤはかなり古くから知られていて、標準和名もあります。
私が勝手につけた『推奨呼称』ではありませんので、安心して語ってください。
名前の黒筋は勿論、個虫腹側にある1本の黒い線状模様に由来しています。
入出水管の間には2個の黒い点が見られます。
この点については個虫間や群落間での差は少ないです。
黒筋の太さは群落で異なっています。
入出水管周囲には小さな白点が無数に見られることがあります。
これは群落間で模様の差が大きく、このホヤを観察する魅力でもあります。
群落内での個虫間での模様差は少ないです。
このホヤは流れの速い場所や激しい場所にはあまり見られませんが、水が澱む場所にも少ないです。
適度に流れ、綺麗な水を好むようです。
また、高温の水は好まないようで、沖縄では冬を中心に見られることが多いです(いちおう通年観察可)。

