[目] マメボヤ目
[科] ウスボヤ科
[属] ウスボヤ属
[学名] Didemnum molle
[標準和名] チャツボボヤ(茶壺海鞘)
[性質] 群体
【愛称】 -
【推奨呼称】 -とーっても有名で希少価値0に近いホヤですが、実に奥深いホヤなので、チャツボボヤについてはシリーズ化して載せていきたいと思います。請うご期待!(って、あんまり期待しないでネ)
最初なんで、形態から。
茶壺というよりも、時代劇でよく見る火鉢に似ているような気がします。海中では共同出水口のグリーンがとても鮮やかで、おそらく最も美しいホヤの一つです。グリーンは深い色よりは蛍光グリーンに近いです。大きさは数mm~4cm以内程度です。
サイズは実に問題です。
時々バカでかいチャツボボヤを見ることがあります。10cm程度以内ですが、いつも見ているのとは違って、ちょっとグロテスクな形態です。
数年前の論文を見ていると、チャツボボヤの学名を次のように分けています。
3cm以内
『 Atriolum robustum 』 3cm以上
『 Didemnum molle 』最近の新しい研究では、どちらも同じ種類であることが分かってきているようで、大きさにかかわらず
『 Didemnum molle 』という学名を用いるようになっているようです。ということで、このブログでも
『 Didemnum molle 』を採用しています。
また、新しい研究では沖縄近海のチャツボボヤは少なくとも
4種類の亜種が存在しているようです。これは見た目にも区別できるようで、1)表面が純白に近い種(写真右下)、2)表面に茶色や黒が存在する種(写真左上)、3)表面にも緑色が存在する種(写真右上)、4)黒い斑を有する種、などなどのようです。本来はもっと区別できるようですが、限られた時間で海中で観察するには見た目が一番です。
さて、チャツボボヤで最も有名なあの“蛍光グリーン”ですが、これは内部に『
原核緑藻類』を飼っているのだそうです。光合成をしてくれるので葉緑素が含まれているんですね。だから緑です。ちなみに、チャツボボヤは
原核緑藻類がいなくてもある程度は生きられるようですが、
原核緑藻類は単独では生きられないようです。では、どこからやってくるのだろう?
いろいろと興味深いチャツボボヤですが、第一回はこの程度にしておきます。

